100kmというのはごまかしのきかない距離。ハーフやフルでは気にならない小さなバランスの乱れが、100kmでは完走を左右する問題として表れてきます。
たとえば「シューズの減り方が左右で違う」「走ると左右どちらかの脚が張る」などということはありませんか。多くの人が骨格の特徴や生活上の癖などで、気が付かないうちに身体の左右で筋力や柔軟性に差が生じており、特定の部位に偏った負荷をかけて走っています。それが100kmマラソンの終盤では大きな歪として身体にのしかかってきます。
今回は100kmを走れる身体を作るための筋力、柔軟性を向上させる方法を紹介します。
人間の筋肉は20歳をピークに衰えていきます。加齢とともに最大スピードが落ちていくのはそのため。「走る筋肉は走って鍛える」という声もよく聞きますが、筋力を向上させるために走るのであれば、短時間で速く走るという「強い刺激」が必要。レースペース以上で走る習慣がない人は、自力走の負担のみでは筋力向上どころか維持も難しくなってきます。
筋トレとストレッチングは、身体の特定の部位、特に弱点を意識的にフォローすることができます。100kmに挑戦するのであれば、身体の使い方に合わせた準備を積極的に行うべきでしょう。筋トレ、ストレッチングでトレーニングの効率もよくなり、量=距離を追わなくても走力アップが見込めるようになります。月間200kmの走行距離で500km並みの脚を作ることもできるのです。さらに故障のリスクも格段に減らすことができます。
以下に紹介する筋トレ、ストレッチングを、毎日行いましょう。
片脚立ちでひざを90度曲げ、30秒をキープします。キープし切れなかった場合は、何秒できたかを覚えておきます。左右両足で行ってください。またキープできても、ふらふらバランスを崩したりする場合は腹筋、背筋など、胴回りの筋力が弱いと考えられます。
片脚ひざ曲げができた人も、さらなる強化のために実施しましょう。
1) |
チェアスクワット(ハムストリングス)… 特に片脚ひざ曲げを30秒キープできなかった人 ポイント:10回×3セットを両脚行う。ひざを曲げた時、前ももでなく、ハムストリングスが硬くなるように意識。走る際の推進力に。 |
2) |
スローシットアップ(腹筋)… 特に片脚ひざ曲げでふらふらとバランスを崩した人 ポイント:腹部を膨らませた後、そのまま凹ませ、腹に意識を置いたまま上体を起こし、5秒間キープ。これを5〜10回×3セット。ゆっくり上げてゆっくり下げる。反動をつけない |
3) |
水平バランス(体幹強化)… 特に片脚ひざ曲げでふらふらとバランスを崩した人 ポイント:腰→お尻→脚が一直線になるように意識する。この際、お尻が落ちて「くの字」になっていたら体幹の筋力不足。両脚で30秒キープ後、片脚で15秒ずつ行う |
全身の柔軟性をバランスよく高めるため、以下の流れを1セットで行うようにしてください。各20〜30秒。苦手な動きは、息を大きく吸って身体を元に戻し、息を吐きながら再度行うと効果的です。
1)ハムストリングス、背中 親指をつかんで20〜30秒キープ。左右行う。ひざを曲げないように注意 |
2)ハム、臀部、逆脚の前もも@ 挙げたひざに向かって顎をつけるように上体を持ち上げるとより伸びる |
3)ハム、臀部、逆脚の前ももA お腹を凹ませならが脚をあげるとより効果的 |
4)大胸筋、腹斜筋、中臀筋 視線は上げた側と逆に。かかとまで床につけばベター |
5)上半身の前側(腹直筋) 骨盤が床につくくらいまで下げ、上体を反らせる |
6)下半身の前側(前もも、腹筋) ひざが悪くなければ、正座の姿勢から仰向けに倒れるやり方でもOK |
Copyright © 柴又100K 〜東京⇔埼玉⇔茨城の道〜 実行委員会, All Rights Reserved. |