柴又100K

Essential Points of Event/Race

第5回 レース1カ月前までに、走力の上限まで追い込む長時間走

気候も暖かくなり、走るのには絶好のシーズンになってきました。レース5〜6週間前、遅くとも1カ月前は、強化のために追い込める最後のタイミングです。この時期一度、走力の上限まで追い込んでおくと、走力がワンランク上がった状態でレース当日を迎えることができます。柴又100Kを目標とするならば、ゴールデンウィークくらいまでにぜひ取り組んでください。
どこまで追い込んでよいのかは、私より皆さん自信の身体が良く知っています。「身体の声を聞く事が重要」です。痛みや、筋肉の張り、柔軟性の低下、お腹の調子や食欲など、身体は今どんな状態にあるか語りかけています。この声を無視してはいけません。故障しない、レース当日に疲労を残さず元気であることを最大優先事項にします。100kmでリタイアする人は走り過ぎでの故障や体調不良か、練習不足のどちらかが多いと言われています。痛みや筋肉の張りなど身体の声を良く聞いてください。
※ハードトレーニングの翌日は走りを休むことは有効な故障予防策です。

レースペースの長時間走に挑戦

「レースペースの4〜6時間走」でどこまで行けるかに挑戦してみましょう。脚が重くなる感覚まで到達してペースダウンしたら、そこから早歩き20〜30分間に切り替えてもOK。無理に走り続けると故障のリスクが生じますので注意です。重要なのは、トイレ、給水以外止まらないこと。数分間の休養でも筋肉はかなり回復してしまい追い込みの効果が薄れてしまうからです。上限を6時間としたのはレースに疲労を残さないためです。
私の考えでは制限時間内完走を目指すレベルのランナーであれば、6時間以上の練習は疲労の蓄積や障害の発生など、リタイアの原因になりやすいので注意が必要です。レースまでに確実に疲労回復できるのであれば話は別ですが…できますか?
1日でトレーニング時間を取ることが難しい人は、20km走を5日間連続でも可です。疲労が溜まった状態で走る練習になります。
参考:「ウルトラマラソン2倍」の伝説があります。最長走行距離の2倍までは走れるという話です。

単調な走りでも飽きないための工夫を

動き続けることを考えると、走る場所は信号等のない河川敷のサイクリングコースや公園等の周回コースがお勧めです。スピードを重視するなら周回コース、達成感を得たいのであればワンウェイのコースが向いています。
河川敷や周回は変化が乏しく飽きるという人もいます。私自身は走っているときに飽きることはありません。身体の声を聴きながら、身体の中で起こる変化に集中しフォームやペースをコントロールすることで、故障やトラブルの回避するようにしています。更に天気の変化や時間経過による温度の変化など、視点を変えればランニング中には大きな変化が身体の内外で起こっているのです。

腕振り、足音に意識を向ける

走りながらフォームのチェックをしてみましょう。フォームを直前に修正することは難しいですが、できることは2つ。

@まずは意識的な腕振りを。肘を90度以上鋭角に曲げて前後に振ります。脚に疲労を感じた時や上り坂では積極的に腕振りを行ってみてください。
Aまた足音に意識を向けてみます。疲労してくると足音が大きくなります。その他足運び、足の接地、重心の位置、身体のあちこちの痛みや違和感など、どこかおかしいところがないか、どのくらいの時間(距離)を走ると疲れが出るか、などを確認します。
本番の柴又100Kも河川敷のコース。単調な長時間走でも自分の内外の小さな変化を感じ楽しみながら取り組むのが、ウルトラランナーのメンタリティともいえます。

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